みなさんこんにちは。
この記事を読まれているあなたは、こんな悩みをお持ちじゃないですか?
古民家の天井裏ってけっこう広そう!リフォームして、天井裏のスペースを有効活用したいわ。
天井裏の寝室や書斎って憧れるわ。古民家を購入してリフォームしようかしら?
この記事を読むことで、次のことがわかります。
そんな私は、
皆さん、こんにちは。
福子です。
福子38歳です。年下の旦那と12年前に結婚して、3人のママになりました。毎日家事が大変ですが、一級建築士事務所での経験を生かして、住まいのリフォームに関する便利な情報をお届けします。
今日、古い実家をゆずり受けた友達を訪ねてきたよ。平屋なのに外からだと2階建てに見えるんだ。すごく不思議じゃない?ほら、この写真。
パパ、2階に見えるところは天井裏があるのよ。けっこう広そうね。
天井裏の存在に初めて気づいたパパは、興味津々。
天井裏の部屋って秘密基地みたいで夢がありますよね。男の人はいくつになってもこういう空間にウキウキするのかもしれません。
後日、パパは天井裏を見せてもらおうと友達に連絡したようですが・・・。
暮らしやすいようにある程度はリフォームしたらしいんだけど、天井裏は手をつけてないんだって!どうしたらいいのか悩んでたよ。
せっかくのスペース、もったいないわね。
天井裏のリフォームについて、僕たちが調べてみようよ!
・・・というわけで、今回は古民家の天井裏のリフォームについてお伝えします。
天井裏のリフォームは他の場所とは違って、急いで取りかかる部分ではありませんね。
じっくり検討して、暮らしを豊かにするリフォームを選びましょう。
「この家は古いけど古民家って言えるの?」
そんな疑問を感じているあなたにオススメ。こちらの記事に古民家の定義が解説されています。
古民家の天井裏リフォームは空間を‘‘見せる‘‘か‘‘作るか‘‘の2択
天井裏をリフォームしたい時の選択肢は、天井を取りのぞいて見せる空間にするか、その空間を利用して部屋を作るかのどちらかになります。
どちらにもメリットとデメリットがあります。
暮らしやすさを自分のものさしで計って、後悔しない方法を選びたいものですね。
空間を見せるためのリフォームは‘‘あらわし天井‘‘にする工事
こういうの憧れるわ~。カフェでよく見る天井よ。
まさに「ばえる」ってやつだね。
メリット
- 空間のアクセントになる
- 天井を高くすることができて解放感が生まれる
- 照明器具のレールや飾り物などにこだわって空間をデザインできる
- 無垢の梁(むくのはり)なら年月を重ねて風合いの変化を楽しむことができる
天井をむき出すことで部屋の雰囲気が大きく変わります。解放感が生まれ、部屋が広くなったように感じられます。
古民家の場合、今ではなかなか手に入りにくい立派な梁が天井裏に隠れていることがあります。
あらわし天井にすることで、木造建築の魅力を味わいながら生活することができます。
立派な梁はその家の顔になるわね。
デメリット
- 無垢の梁の場合、変色や割れる可能性がある
- 照明器具や暖房器具の種類や取付け場所によっては支障が出る場合がある
- 梁を天井につけていない場合、上面にほこりがたまりやすい
- 梁に照明器具を付ける場合、配線の場所に工夫が必要
- 天井が高くなることで冷暖房の効きが悪くなる
「ばえる~!」って喜んでばかりもいられないね。
天井裏には、表に出したくない電気の配線や空調の配管などがあることがあります。
これらを上手に隠すためには、梁に穴をあけたり延長させて見えない場所に配置したりと、思っていた以上に工夫が必要になります。
解放感が生まれるものの部屋の体積が増えるので、今まで使用していた冷暖房も同じように使えなくなる可能性もありますね。
照明も見直す必要があるわ。
空間を作るリフォームは新たに部屋を増やす工事
メリット
- 収納スペースが増える
- 居場所が増える
扉のある独立した部屋が少ない古民家に住むと、収納スペースの確保に悩むことがあります。天井裏に収納スペースを作ることで、収納の悩みを解決できますね。
クリスマスツリーやひな人形など、普段は使わない物を収納するのにぴったりです。
また、天井裏の小部屋に子どもの頃から憧れていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ちょっとした書斎や子どもの遊び場として、部屋を増やせるのが大きなメリットです。
天井裏に寝室っていうのも素敵ね。
憧れの空間だわ~。
増築しなくても部屋が増やせるのはメリットだよね。
デメリット
- 外気の影響を受けやすい
- 固定資産税が増える可能性がある
- 使い勝手が悪いと使わなくなる
暑さ、寒さの影響を最も受ける場所が天井裏です。断熱処理を甘く考えていると、誰もよりつかない場所になってしまいます。
屋根裏に上がるための階段やはしごは、それ自体が重く、角度も急になるので物の出し入れが面倒に感じるかもしれません。
使わない物を入れっぱなし・・・という事態になるかも。
固定資産税については、このあとに説明する『容積率』と関係があります。床面積が増えることで、税金が増えてしまう可能性があるので要注意です。
古民家で‘‘あらわし天井‘‘にリフォームする費用の相場は40万円以上
古民家の場合、新築であらわし天井を作る以上に費用がかかる傾向があります。
築年数が長いと修繕場所も見つかりますし、現在の生活様式に合わせた調整が必要になるからです。
- 既存の天井の撤去と廃材処理費:約9万円
- 天井裏の調整:約3万円
- 電気工事:約6万円
- 天井の塗装費用:約4万円
- その他:約20万円~
こちらの記事では天井を高くするリフォームについて詳しく解説しています。
部屋の統一感を出すためには壁や床のリフォームも必要
天井部分だけリフォームすると、今の壁や床に違和感を感じることがあります。
こういう変な日焼けしちゃった人みたいな違和感です。
これではリフォームが終わってないような部屋に感じてしまいます。
あらわし天井にリフォームする場合には、壁や床のリフォーム費用も予算に入れた方が良いですね。
天井裏に部屋を作る費用の相場は20万円~120万円
天井裏に部屋を作る費用は、人の居場所となる部屋か収納部屋にするかで大きな差があります。
断熱や換気のための工事の費用が違うからです。
例えば6畳の部屋の場合、子ども部屋などにするなら70万~120万円、収納部屋なら20万~35万円が相場になります。
工事内容と相場価格を表にしました。
工事の内容 | 相場価格(6畳の場合) |
天井開口の増設・はしごの設置 |
約10万円 |
床造作 | 約12万円(1畳あたり約2万円) |
断熱工事 | 約50万円 |
床の下地補強工事 |
約10万円 |
照明器具やコンセントの設置・増設 |
約2万円 |
開口手すりの設置 |
約3万円 |
換気扇の設置 | 約3万円 |
窓の増設 | 約4万円 |
エアコンの設置 | 約10万円 |
壁紙クロスの張り替え |
約5万円 |
ウインチの取りつけ(手動タイプ) |
約10万円 |
ウインチの取りつけ(電動タイプ) |
約30万円 |
この表の項目以外に、諸費用や修繕費が発生するので注意してね。
どんなリフォームも見積もりが重要!
こちらの記事を読むと、見積書の見方や確認方法がわかります。
天井裏の部屋作りを成功させるための課題は4つ
あらわし天井に比べて、新たに部屋を作るリフォームには注意する点が多くなります。
せっかくのリフォームを無駄にしないために、きちんと使える空間に整えましょう。
違法建築にならないために‘‘容積率‘‘の確認は必要
容積率は、住宅の床面積が、敷地面積に対してどれくらいあるかという割合です。
この容積率は、行政によって「指定容積率」として定められています。
指定容積率は地区によって違うので個別に確認が必要です。
その場所に建てられる床面積には上限があるのね。
天井裏に部屋を作ることで床面積が増えます。そうすると容積率をオーバーしてしまう可能性があるので、うっかり違法建築になってしまいます。
だけど、この3つの条件を満たせば床面積を気にしなくてOKなの。
- 床面積が直下の階の2分の1以下であること
- 天井までの高さが1.4m未満であること
- 換気用の窓の面積が屋根裏の面積の1/20以下であること
大人が立ち上がれない高さだよね。
子どもたちの秘密基地にしちゃう?
何のためのスペースか目的を決める
物を収納するためのスペースなのか、人の居場所にするのかで工事内容も変わってきます。
天井裏は湿気や熱がこもりやすい場所です。しっかりと断熱や換気がされていないと、夏場は地獄のように暑くなります。
一方で、収納として使うのであれば、あまり断熱は必要はないと割り切ることができます。
ひな人形や衣類などの収納には、断熱や換気が必要よね。
そうだね。何を収納するのかまで考えておいた方がいいね
断熱対策や換気システムの設置は高額でも行うべき
天井裏は、地域によっては夏は蒸し風呂状態、冬は氷点下になる場所です。
暑い季節には60℃を超えると言われています。
屋根から伝わる熱を防ぐために断熱材を屋根の内側に取り付けたり、屋根材の表面に断熱塗装をほどこしたりすることで室内に熱が伝わるのを防ぎます。
天井裏リフォーム費用の中では断熱材施工費用が最も高くなりますが、生活する上で快適な環境を保つためには必須の工事です。
また、せっかく断熱工事をしても、換気ができないと高温の空気が天井裏にこもった状態になります。その結果、結露が発生して湿度が高くなることに・・・。
カビの発生をふせぐためにも窓や換気扇があれば安心ですが、部屋の上下に換気口をつけるという簡単な方法もあります。
子ども部屋や書斎なら、エアコンもないと困るよね。
天井裏への階段は‘‘固定‘‘か‘‘はしご‘‘の適した方を選ぶ
天井裏の部屋に上るための階段には「固定階段」と「はしご階段」があります。それぞれの特徴を知って、用途に合わせて選びましょう。
地域の自治体によっては、屋根裏部屋に固定階段を設置することが禁止されています。
例えば「原則として固定式のものとしないこと」、「階段の面積を小屋裏収納の面積に入れること」といった取り決めがある場合もあります。
事前の確認が必要だね。
持ち運びにくい物を収納したいなら固定階段にする
「固定階段」と言うと難しく感じますが、天井裏の部屋に向かう固定された階段のことです。
安定感があり両手を自由に使えるので、重たい物や大きな物を持って移動しやすくなっています。
注意する点は、階段を設置するためのスペースが必要になることです。
固定階段だと高齢になっても使いやすそうね。
天井裏にめったに上がらないのならお手軽価格のはしごにする
天井裏部屋へ上がる階段として、はしごを選ぶ方は多いそうです。子ども達にとっては、アスレチック気分で楽しく遊べる場所になりそうですね。
はしごの設置は、物のあげおろしが少ない用途や、あまり天井裏に上がらない場合に向いています。
はしごには2種類あるわ
- 天井に収納し、使う時に下ろしてくるタイプ
- 取り外しできるタイプ
注意する点は、天井裏の部屋に大きくて重さのある物を収納する場合、はしごだと持って上がることが困難になることです。
バランスを崩して落下してしまう危険性もあり、小さな子や高齢者の使用には気をつけなければなりません。
天井裏と屋根は親子のように近い存在。
古民家の屋根のリフォームについて、こちらの記事が参考になります。
まとめ
今回は天井裏のリフォームについてお伝えしました。
まず、あらわし天井についてまとめます。
- 天井裏をむき出しにして天井空間をデザインするリフォーム
- メリット:①部屋に解放感が生まれる②古民家の雰囲気をより強く味わえる
- デメリット:照明や空調の見直しや配線の工夫が必要
- 費用の相場は少なくとも40万円以上
- 部屋の統一感をだすために同時に壁や床のリフォームも行った方が良い
次に、天井裏に部屋を作るリフォームについてのまとめです。
- メリット:収納場所や子ども部屋など部屋を増やせる
- デメリット:①外気の影響を受けやすい②使い勝手が悪いと空間が無駄になる
- 注意点:固定資産税が増加する可能性がある
- 費用の相場は20万円~120万円
(人が過ごす部屋なら70万~120万円、収納部屋なら20万~35万円)
天井裏に部屋を作る時に、すべきことは4つあったよ。
- 容積率の確認
- 部屋の目的、用途を決める
- 断熱対策と換気を整える
- 天井裏への移動は固定階段にするかはしごにするかを決める
固定階段についておさらいします。
- メリット:①はしごに比べて安全②両手がふさがっていても移動ができる
- デメリット:設置のためのスペースが必要
- 費用の相場は10万円~18万円
はしごには、天井に収納できるタイプと、取り外しできるタイプの2種類から選べます。
- メリット:①固定階段に比べて費用が安い②設置スペース不要
- デメリット:①手に物を持った状態では使いにくい②バランスをくずして落下の危険がある
- 費用の相場は7万円~12万円
よし!さっそく友達に知らせよう!
リフォームが終わったら、ぜひお邪魔したいわ。
高額になりがちな古民家のリフォームには補助金制度もあります。
こちらの記事には、古民家全体のリフォームと補助金について詳しく解説されています。